立原恭輔「自由主義者の日記」

保守の立場からの政治問題を主とするblogであったが、いつの間にか「矢島舞依」「Velka」などを中心としたロックファンblogの様相を呈しつつある。 学位は博士(専攻は非公開)。

septembre 2014

左翼ジャーナリスト、江川紹子がバカなツイートをした。
>>>なぜ、御嶽山に自衛隊派遣なんだろ…。人が必要なら、むしろ警視庁や富山県警の機動隊や山岳警備隊の応援派遣をした方がよさそうな気もするが…。
これに対して反論が。
>>>火砕流に巻き込まれても平気な装甲車両を持っているのは、自衛隊だけだからじゃないかな。雲仙普賢岳では活躍しましたよ。
江川はさらに
>>>装甲車や戦車は、火砕流には勝てません。
ところが、江川に反論したのはJSF氏という軍事方面では有名な方であった。私もこの方の記事を参考にすることがある。
>>>え? 勝てますよ? NBC防護能力があるので平然と行動できます。
江川は
「火砕流を浴びたら乗員は焼け死ぬ」
「現地の人に聞いた」
などと根拠不明なツイートを繰り返し、終いには
>>>自衛隊にかかわると、「ほわい?」と問うただけで、勝手に深読みして「きーっ」となったリアクションがうようよ来るにゃ。その中に、まともな「びこーず」がちらほら。やれやれ…。
と口走り、JSF氏に
>>>「ほわい?」ではなく江川さん断言してたでしょう?
と突っ込まれる始末。「きーっ」となっていたのは江川の方なのである。
バカ発言を繰り返した江川は、とうとう
>>>昨日から何度もツイしていることですが、今なお苦情や誤解があるので、改めてツイします。一昨日の自衛隊投入についての疑問は、今回の災害の規模と陸自松本駐屯地の山岳部隊としての能力について、私の無知から生じたものです。自衛隊を災害で派遣することに反対しているわけではありません。
と実に往生際の悪い言い逃れを余儀なくされた。
「ツイッター=バカ発見器」とはよく言ったもので、「ジャーナリスト」だろうが何だろうが、ろくに調べもせずに好き勝手なことを書くとこうなるというお手本のようなバカが江川であった。
これでもかいつまんで転載したのだが、リンク先をご確認いただくと江川のバカ発言と見苦しい言い逃れの全貌がわかる。
このところ何度も書いて書き飽きた表現だが、本当に「バカなアカ」ほど手に負えないものはない。

いわゆる「慰安婦問題」について、木村伊量・朝日新聞社長や植村隆・元朝日新聞記者、あるいは河野洋平・元衆議院議長への証人喚問の要否が取り沙汰されている。
「慰安婦=性奴隷」説否定派はもちろん、肯定派にとっても重要な問題であり、どういう形であれ徹底的な真相解明が求められるのは当然である。
ところが不思議なことに、これほど重要な問題であるにも関わらず、大手メディアの腰が引けているように見える。
たしかに、産経は従来から朝日追及の急先鋒であるし、読売も厳しい論調を続けている。日経も「メディアに対する信頼が損なわれる」という観点で批判しているし、朝日より左に位置する東京=中日でさえ批判的な社説を掲載している。朝日を正面からかばっているのは毎日ぐらいである。
しかし、朝日を追及するという割には、いわゆるメディアスクラムの一つも発生していないではないか。
メディアスクラムmedia scrumとは、あらかじめ設定された会見場ではなく廊下や屋外などで記者たちに取り囲まれる形で行なう、いわば臨時の記者会見のことであるが、我が国では「集団的過熱取材」を意味することが多い。被害者家族に取材が殺到し、TBS系朝ワイドの司会者であったみのもんたが家族を犯人であると決めつけるような発言までした「香川・坂出3人殺害事件」(2007年)が印象に残っている。
朝日に対する取材が、各メディアが坂出事件のときに被害者を追い掛け回したような執拗さで行なわれないのはなぜなのか。雑誌は比較的厳しい取材をしているようだが、取材対象者にしつこくつきまとうようなことまではしていない。
慰安婦問題の影響を考えれば、木村社長や植村氏、河野氏に大勢の記者がつきまとい、彼らの自宅前にはテレビカメラが常時スタンバイし、出入りする者にもれなくインタビューを試みるような集団的過熱取材が行なわれていても不思議ではないのである。
企業の不祥事が発覚したとき、取材の対象は企業本体のみならず社員個々にも及ぶ。朝日新聞社の前にはマスコミ各社が陣取り、出勤する社員たちに「ご感想」を伺ったりしているのであろうか。
マスコミ各社がメディアスクラムの防止を実効的な方法で取り決めたという話は聞いたことがない。
財団法人日本新聞協会は2001年に「集団的過熱取材に関する日本新聞協会編集委員会の見解」というものを出しているし、2002年には「集団的過熱取材対策小委員会」を設置している。
http://www.pressnet.or.jp/statement/report/
それにもかかわらず、2007年の坂出事件でメディアスクラムが発生しているし、2013年にアルジェリアの天然ガス精製プラントで邦人10名が犠牲になった人質事件でも犠牲者の甥が
「『実名を公表しない』という約束で対応した朝日新聞の取材にもかかわらず、掲載された記事には実名とフェイスブックの写真が『無断で掲載されていた』とブログに書いた」
「『叔父の子供が住むマンションに報道各局が押し寄せ』『近隣に迷惑をかけて』いる、『やめてくれ』とツイートし、同日、朝日新聞社長にあてた抗議の書簡を出した」
という内容の記事がある。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kobayashiginko/20130501-00024650/
要するに、メディアスクラムは防止できていないのである。防止できていないメディアスクラムが、取材対象が朝日新聞社になると発生しないのはどういうことだろうか。
私はメディアスクラムには基本的に反対である。
しかし、業界の身内であるマスコミ関係者に対しては自粛するが、一般市民に対しては遠慮しないということでは筋が通らない。
今後メディアスクラムが一切発生しないよう各メディアが徹底するか、それができないのであれば例え同業者であろうとも容赦なく待ち伏せ、取り囲み、質問を浴びせるようにすべきであるし、逆に自らが同じような取材攻勢を浴びることも覚悟してもらいたい。
マスメディアが「輿論を正しく導く機能」を持っていないこと、また真実の探求についても限界があることは、ウォルター・リップマンを引用するまでもなくわかりきっている。
しかし、今回の「慰安婦問題」については、どんなことをしてでも真相に肉薄する必要、いや「義務」がメディアにはある。内輪で遠慮している場合ではない。

土井たか子が亡くなった。
2ちゃんねるや保守系のSNSには、土井を罵る投稿があふれているようだ。

ネット上の知人がこんなふうに書いている。
>>>物凄く嫌いな奴が死んだ時ってどう対応すればいいだろうか?
>>>「地獄に落ちろ」などと罵りたくなりますが、死者に鞭打つのは美徳に反する。
>>>まあ、黙っているのがいちばんかな。

全くその通りだと思う。
故人がどういう人で何をしたかを明らかにすることは大切だが、口汚く罵る必要はない。
それよりも、こういう思想を持った人物を衆議院議長にまでしてしまった事実をよく考えるべきである。

どうしても罵りたいという人は、好きなようにすればよろしかろう。

週刊新潮の「おごる「朝日」は久しからず」という記事に、こんな一節があった。
>>>政治評論家の屋山太郎氏がこう指摘する。
>>>「朝日はもはやジャーナリズムを標傍できる組織ではなく、単なるプロパガンダ集団。自分たちの思想に誤りがあると認められないのであれば、新聞を名乗る資格はありません」
保守の論客として著名な屋山氏は、時事通信の記者だった方である。
たしかに、「まず思想があって、それに基づいて虚偽の報道をする」ようなメディアにジャーナリズムを標榜する資格はない。
これが政党の機関紙であれば、ましてやウソや捏造で成り立っているような共産党の機関紙「しんぶん赤旗」などであれば、まあ仕方ないだろう。「しんぶん」と名乗ってはいても、そもそも党の方針に則ったデマ宣伝のための媒体であって実際は「新聞」ではないのだから。
ところで、つい先日札幌で行われた「水曜デモ」(「慰安婦」に関するデマ宣伝のためのデモ)に対するカウンター行動に対し、共産党系と思われる男は「ヘイトスピーチです!ヘイトスピーチです!」とわめくことしかできなかった。
「ヘイトスピーチ」「人種差別」などのレッテル貼りを常套手段とし、憲法9条に大反対した事実や共産主義国家の核武装を擁護した事実などについては「なかったことにする」共産党らしい対応である。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24558088
9月12日の拙稿で書いたことだが、「吉田所長調書」や「慰安婦」に関する一連の批判に対して、朝日は社内に向けて「反朝日キャンペーンを繰り広げる勢力に断じて屈するわけにはいきません」と呼びかけている。何が真実かを論じるのではなく、ただ「批判には屈しない」と強弁するだけである。
どこまでも似ている朝日新聞と日本共産党。
「プロパガンダ集団」という屋山氏の指摘は、的を射たものである。

「二・二六事件と青年将校」〉
このところ、秦郁彦「軍ファシズム運動史」、永井和「青年君主昭和天皇と元老西園寺」、原 武史「大正天皇」、伊藤之雄「昭和天皇伝」など、先帝陛下(皇太子時代含む)に関する著作をぽつぽつと読んでいる。
今朝の読売新聞書評欄で筒井清忠「二・二六事件と青年将校」という本が紹介されているのを見て、どうも読みたくなってしまった。
いまは別件でいろいろあるので、しばらく我慢しようと思っているが、備忘のためにも書いておく。
もしお読みになった方がいらっしゃったら、感想などお聞かせいただければ幸いである。

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