ニュースで見たのはこんな感じの仮装であった。
昨日はたまたま渋谷と下北沢に寄って帰ったところ、ほほに傷があったり目に殴られたようなアザがあったり口から血を垂らしていたりする若者を何人も見かけた。
すっかり年中行事になったハロウィンである。
ハロウィンにせよサッカーワールドカップにせよ、浮かれてバカ騒ぎするのもバカ騒ぎしている連中を見るのも嫌いなので、商業ベースに乗せられてハロウィンで喜ぶのもバカバカしいと思っていた。ちなみに「恵方巻」なんていうのも嫌いである。太巻きは普通に切って食え。
家に帰って、たしか日本テレビの「NEWS ZERO」を見ていると、ハロウィン前夜の渋谷を特集していた。駅前で捕まえた2人組の女子大生に密着して番組は続く。彼女たちはかわいい悪魔の仮装をして、スマートホンで自撮りしながらセンター街を歩く。仮装した若者だらけである。
「あっ、かわいい!」
視線の先にはウサギの仮装をした女の子たち。
「かわいいね、ハッピーハロウィーン!」
ウサギ、天使、不思議の国のアリス。次々に声をかけて、お菓子を手渡す。彼女たちはわざわざお菓子を用意しているのであった。渡された方は最初はちょっと戸惑うものの、すぐに笑顔でお互いの仮装を鑑賞しあうのである。
「今日はみんな友達みたい。いい日」
ひとりがつぶやくのを見て、こういうことならハロウィンもまんざら捨てたものじゃないなと思った。
「いい日」と言われたら、否定のしようがない。