Jリーグにはほとんど興味がないが、浦和レッズはこれまでにもファンがいろいろと問題を起こしており、嫌いなチームである。
今回は添付画像の通り、相手チームの選手に悪質なツイートをした。こんなファンがいてレッズもさぞ迷惑していることだろう。
ところで、今回問題になったのはやはり「黒人」という部分なのだろうが、黒人を黒人と呼ぶこと自体は問題ないはずである。例えばオバマ大統領は「黒人初の米国大統領」と言われている。そうすると「死ね」だけでも暴言なのに、そこに「黒人」が追加されることで「人種に対する嫌悪の表現」と見做されてしまうということだろう。
当該の選手はブラジル人だそうだが「ブラジル人死ねよ」だったらどうだろう。もちろんこれでも暴言であり非難されて当然であるが、これを「差別問題」として取り上げるとした場合、「人種」差別と言えるかどうかは微妙である。「外国人一般に対する」差別ということになろうか。特定の国籍の選手を狙い撃ちにして暴言を浴びせているなら、これは国籍による差別である。
論理的に言えば、今回の発言者がレッズのブラジル人選手を高く評価している一方、他チームに対して「ブラジル人死ね」と国籍をつけて発言していたとしたら、これを「ブラジル人」に対する差別と認定するのは正しくない。ブラジル人一般を排斥しているのではなく、敵チームのブラジル人を敵チームであるがゆえに罵っているだけであるから、本来は「差別」ですらないと思う。
しかし、黒人であろうと白人であろうと罵るときに肌の色に触れてしまえばもうダメである。オバマ大統領の例のように黒人であるという事実だけを述べるのなら問題はない。しかし悪意ある発言に肌の色を絡ませたら、発言者の意図に関わらず問題は「差別」のフィールドに入る。これは論理的な問題ではなく、むしろ政治的な問題である。
それにしても、こういう問題が起きるのはサッカーばかりのように思う。他のスポーツではあまり聞いたことがない。かつては野球でもいろいろあったが、怒った観客がグラウンドになだれ込むような騒ぎはもう見られない。国民一般のマナーが向上したためだと思うのだが、サッカーファンは別ということか。
こういう阿呆がひとりいるだけで、競技全体・ファン全体が白い目で見られることになりかねない。馬鹿げた話である。
※カテゴリは「サッカー」にしていたのだが、「差別」判断は政治的なものなので「政治」に変更した。